おたけのおへや

ポケモン剣盾シングルレート専用。結構独特の型や構築を考えるので、参考になれば幸いです。

ランクマガチ勢がポケカに本気で挑戦して学んだこと

こんにちは、おたけです。

今回、シングルバトルガチ勢の僕がポケカという新しいジャンルにチャレンジし、練習期間が短期間であったにもかかわらずシティリーグベスト4という結果を残すことができました!

その中で、ポケカが強くなるために必要な要素がシングルバトルのそれとかなり共通している部分が多かったり、一方で、ポケカを経験したことで、シングルバトルにも活かせるような新たな成長を感じられた部分もあったので、それをこの記事で言語化し、備忘録として残しておこうと思います。これからポケカを始めようか迷っている方、バトルマスターのために初心者でもポケカで結果を出したいランクマ勢の方に参考になれば幸いです!

 

まえがたり

7ヶ月も続く禁断2体環境に飽きつつある中、バトルマスター決定戦という、シングルバトルとポケカ両方の強さを競う公式大会の開催が告知されました。僕はシングルガチ勢かつポケカも少しかじっていたので、バトルマスターで本戦に残ることを目標に、ポケカもガチで頑張ることにしました。2022年6月までの結果がポイントに反映されることを知ったのが4月だったので、かなり短期間でポケカを上達する必要がありました。

新参者であり、かつ短期間での結果が求められるため、普通の思考でデッキを組んでも絶対失敗するだろうなと思っていました。また、自分が加速度的に成長するためには、これまでシングルバトルで培ってきた経験をフルに活かすことが必要だと思いました。

 

実践したこと

まずは強い人のデッキレシピを使って何回か店舗大会に参加し、「シングルバトル」と「ポケカ」の間に存在する共通項を探しました。その共通項に対する「シングルバトル」の経験から得られたノウハウを「ポケカ」にヨコテンし、応用するという作戦を取ることとしました。

共通項

・トレンド「環境」が変化し続けるメタゲームである

・安定行動、負けに直結しない選択、立ち回りが重要である

・運が絡む確率論のゲームである

・「役割」を意識した構築作りが重要である

 

ざっと挙げるとこんな印象でした。それぞれの項目について、シングルバトルの経験ですでに持っているノウハウを整理しました。

・メタゲーム思考

流行の構築に対して高い勝率を出せて、かつそれ以外の構築にも5分以上の戦いができる構築を目指す

・安定行動

常に最もされたくない動きから想定し、確率の天秤にかけてそれをケアすべきかどうか判断していく

・確率論のゲーム

運負けをいかに減らせるかが大事。下振れにくく、上振れのメリットが大きい構築作り

・「役割」を意識した構築作り

特定のポケモンをメタるためのピンポイント採用はなるべく控え、相手の複数のポケモンを複数で見るような役割分散の考え方が必要

 

これらの考え方やノウハウを、ポケカに応用してデッキを構築しました。

 

・メタゲーム思考

環境トップのパルキアVstarとミュウVmaxは、どんなデッキタイプに対しても5分以上の戦いができるパワーがある

→「ミラーに強いパルキアデッキ」を最終目標としてデッキを組む

→クロススイッチャーを4枚採用した、2-2-2プランを取りやすいデッキタイプを採用

 

・安定行動

対戦中のプレイングの問題なので割愛

 

・確率論のゲーム

パルキアデッキは、最初のターンでパルキアとメッソンをいかに並べられるかが極めて重要である

→初動の安定性を重視し、初動事故率が2割以下であるデッキを目指す

→バトルVIPパスを最低3枚採用する

 

・「役割」を意識した構築作り

流行りのデッキに対するメタカードは、事故札になりやすいというトレードオフの関係がある(役割が限定的すぎる)

→事故札になりうるメタカードの採用はせず、安定札になりつつ流行りのデッキにも強く出られるような役割分散札を採用する

パルキアミラーで勝つためにはダンデによる火力増強やツツジのハンド干渉による捲りが一般的だが、それらのカードは事故札になるため採用しない。代わりに、ふしぎなアメを採用することで、手札にインテレオンが嵩張った時に消費できる安定札になりつつ、クイックシューターを早めに打って火力増強にもなることに気づき、役割分散札として採用。また、ツツジはマリィに変更し、序盤に引いても手札のリセットとして使え、終盤は相手のハンド干渉からの捲りを狙える役割分散札とした。

 

上記の考え方に基づき、当時の環境にはほとんど存在しなかった「スイッチャー×4、VIPパス×3のハイブリッドパルキア」をデッキの軸とし、ふしぎなアメを駆使して早急にクイックシューターのインテレオンを立て、確実に2-2-2のサイドプランを通すデッキを構築しました。

この考え方が功を奏し、直近の戦績が17-3で大きく勝ち越し、シティリーグでは5-1のベスト4まで勝ち進めることができました。

 

シングルバトルにも活きる経験

シングルバトルの構築は6匹なのに対し、ポケカはデッキが60枚なため、種類の多さで言うとポケカの方が構築の選択肢が多くて難しかったです。また、対戦中のプレイング、立ち回りについても、序盤から捨てていいカードは何なのか、サイドプランはどうするかなど考えることは多く、すべての行動で最善手を取ることがポケモンの数倍難しいと感じました。ただ、それは対戦相手についても同じであり、相手も全てのターンで最善手を取ってくるとは限らず、デッキの安定性も全ての人が高いわけではないです。つまり、正直なところ相手のミスや構築の弱さに漬け込んで勝つことの方が圧倒的に多く、そういった相対的なことも踏まえるとポケカの方が「簡単」であるというのが僕の結論でした。

では、シングルバトルで勝てる強者の方々は、それ以外の人とどこに差別化点があるのか。ポケカでの経験を活かして考えてみました。

構築について

シングルバトルという6匹、技は4つというかなり限られた選択肢の中で、

・メタゲーム思考

・確率論(運勝ちのしやすさ、運負けのしにくさ)

・「役割」を意識した構築

を反映した深みのある構築を作るためには、「枠の圧縮」をいかに行うかが極めて重要なのではないかと感じています。

ポケカもやった事がある方なら分かると思いますが、60枚の枠の中で入れたいカードを全て入れることはほぼ不可能に近いです。その中で、洗練された60枚にするためには、「役割分散札」の存在がキーになってきます。ラブリィさんがポケ実ポケカ部の配信で、「月光手裏剣を打たれないためにマナフィを入れても、それ以外でマナフィを使わないから入れたくない。それよりもジメレオンにおまもりを貼って月光手裏剣を耐えるようにしておけばいい」という発言をしていて、自分に足りないのはこれだと気付かされました。まさに、「おおきなおまもり」は「役割分散札」であり、月光手裏剣のサイド2枚取りケアをしつつ、月光手裏剣が飛んでこない対面はポケモンのHP増強に使える、まさに役割分散の理想形です。この考え方をデッキに反映できるようになってから、枠の圧縮が可能となり、やりたいことを詰め込めるようになりました。

この考え方は、シングルバトルにおいても非常に重要で、「サンダーが多いのでサンダーに滅法強いポケモンを入れたいが、サンダー以外に使えないし、サンダーを選出されるかが分からない」といった問題がシングルバトルの構築を作るときも頻繁に発生します。この問題を解消する際に、「役割分散」の考え方が役立ちます。解決策としては2つであり、

・サンダーだけに強いポケモンの採用は諦め、サンダーにもそこそこ強く、それ以外のポケモンに対しても重要な役割を持てるポケモンを採用する

・サンダーだけに強いポケモンに、自分の構築の他のポケモンをサポートするような技を採用し、仮にサンダーを選出されなくても役割が持てるような技構成にする

のいずれかだと思います。現在は禁伝2体環境であり、平均のパワーが高いため、相手の全てのポケモンに対応するのはかなり難しいです。しかし一方で、役割分散を駆使し、枠を圧縮していかに全対応に近づけるかが構築の強さを決めると思っています。ポケカでの役割分散札の経験を活かし、シングルバトルでも現環境になるべく全対応した構築作りを目指して残りのシーズン頑張ろうと思います。

 

プレイングについて

ポケカでは、お互いのプレイヤーが1試合に最低1度はプレミをするような感覚でした。なので、とにかく自分がプレミをしないように練習を重ねれば、自ずと展開が有利になっていくような感触を持ちながらポケカをプレイしていました。では、シングルバトルについてはどうか。僕は、シングルバトルの方が1試合におけるお互いのプレミの数は少ないと思います。しかし、シングルバトルの方が、「自分すら気づいていないプレミ」が多く、強者の方ほどそれに気づいて改善を施しているのでは?と今は思うようになりました。自分の感覚的にも、ポケカのプレイはすごく慎重で、対戦後の振り返りもきっちりやっていましたが、シングルバトルをプレイする時は、対戦数が多いのもあって慎重さに欠けるプレイングをしてしまったり、対戦後の振り返りもちゃんとできてないことがあることに気付きました。上記の経験を活かし、シングルバトルの1戦1戦においてもポケカの1試合のような緊張感、慎重さを持って最善択を選び、対戦後は必ず振り返りを行い、プレイングに間違いがなかったか確認をし続けることで、強者のプレイングに近づきたいと思っています。

 

以上が、僕がポケカにガチで取り組んだ中で得られた教訓です。「枠の圧縮」と「プレイングの慎重さ」を自分への大きな課題として、これからはポケカをつまみつつ、土俵はシングルバトルに戻して、夢である最終1位を目指して精進していきたいと思います。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。